薄桃色の花びらが、まだ少し冷たさの残る春風とともに舞い踊る。
どこまでも澄んだ青空と木陰から差し込む柔らかな陽光に包まれていると、それだけで気持ちが弾んでくる。
そしてどうやらそれは私だけではないらしい。まだ読み始めて間も無い小説からうちの子に目を移すと、少し離れた芝生の上で、風に揺られて舞い落ちる花達を捕まえようと一生懸命に体を弾ませていた。
春の英語名ってこういうことから名付けられたのかしら。そんなことをぼんやりと考えていると、いつの間にか私の横でじっと私の頭の上を見つめていた。
何か付いてるのかしらと頭を下げると、そっと顔を近づけ、ゴソゴソと何かを探り回るように口を動かしている。
髪の毛が擦れる感じがちょっとくすぐったいなぁと思っていると、一輪の小さな花をそっと私の手のひらに乗せてきた。
自慢げな顔を向けてくるこの子の頭に「これは君と同じ色だね」と添えてあげると、ご機嫌そうに翼をパタつかせながら、また芝生の上の追いかけっこへと戻っていった。
文: 毛玉おにぎり
イラスト: とみなが まい
カプセルトイ「ドラネッツ Vol.1.5 ワイバーン型」ミニブック掲載